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2月27日(金) 第2会場 501B
2月27日(金) 第3会場 503AB
2月27日(金) 第4会場 503CD
2月27日(金) 第5会場 602AB
2月27日(金) 第6会場 602CD
2月28日(土) 第2会場 501B
2月28日(土) 第3会場 503AB
2月28日(土) 第4会場 503CD
2月28日(土) 第5会場 602AB
2月28日(土) 第6会場 602CD
教育講演1 頭頸部
顎骨の嚢胞、良性、悪性腫瘍- 最近のトッピクス
2月27日(金) 第2会場 501B
9:00〜10:30
司会 土持 眞(日本歯科大学新潟生命歯学部放射線学)
有地榮一郎(愛知学院大学歯科放射線学)
1)顎骨病変の臨床
高橋 哲
(東北大学大学院歯学研究科口腔病態外科学講座顎顔面・口腔外科学分野 )
顎骨には骨髄炎などの炎症性疾患、嚢胞性疾患、悪性および良性腫瘍など様々な病変が存在する。これらのうち下顎骨骨髄炎、歯根嚢胞や含歯性嚢胞などの顎嚢胞、エナメル上皮腫や角化嚢胞性歯原性腫瘍などの歯原性良性腫瘍、歯肉癌などの悪性腫瘍の顎骨への浸潤などが重要である。これらの顎骨嚢胞の治療に当たっては・・・
2)顎骨病変の画像診断
浅海淳一(岡山大学医歯薬学総合研究科歯科放射線学分野)
口腔領域の画像診断においては、デンタルX線写真、パノラマX線写真などの単純X線撮影に加えてCT、核医学検査、超音波検査、MRI、CBCT等、画像診断機器も増え、各々の診断機器も極めて高性能になっています。CT、MRI、PETの発達により4次元画像処理や機能的な診断も可能になり、質的診断能が高まりました。MRIは・・・
3)顎骨病変の病理
岡田康男(日本歯科大学新潟生命歯学部病理学講座)
顎骨病変には炎症,嚢胞,歯原性腫瘍や口腔に症状をきたす全身疾患,薬剤関連顎骨壊死などがある.そのうち最も多いのは歯根嚢胞,含歯性嚢胞で,歯根嚢胞は裏装上皮,肉芽組織,線維性結合組織からなる.含歯性嚢胞は裏装上皮と線維性結合組織からなるが,二次的炎症を伴うと歯根嚢胞と同様の病理組織像を示すため・・・
教育講演2 頭頸部
頸部腫瘤をどう診るか!
2月27日(金) 第2会場 501B
10:45〜12:15
司会
古川まどか(神奈川県立がんセンター頭頸部外科)
藤井誠志(国立がん研究センター東病院臨床腫瘍病理)
1)臨床
古川まどか(神奈川県立がんセンター頭頸部外科)
頸部腫瘤を主訴とする疾患は成人においても、小児においても多彩である。特に、成人の場合悪性腫瘍の可能性が高くなるため正確な診断が要求される。
頸部腫瘤の診断で、はじめにCTやMRIといった画像診断を行う傾向がみられるが、検査を他部門や他施設に依頼しなくてはならず、予約および結果判明までの・・・
2)画像診断
浮洲龍太郎(北里大学医学部 放射線科学 <画像診断学>)
頸部腫瘤は日常診療で頻繁にみられる主訴の一つで、患者は耳鼻科、頭頸科、外科、内科、小児科、形成外科など様々な科を受診する。これらの大多数は感染や炎症、腫瘍、先天性疾患だが、頸部外傷が原因のこともある。頸部には喉頭、気管、食道、唾液腺、甲状腺、神経、血管、骨、リンパ組織などの・・・
3)頸部腫瘤の病理
藤井誠志(国立がん研究センター東病院臨床開発センター 臨床腫瘍病理分野)
頸部腫瘤は、リンパ節と関係のある腫瘤とない腫瘤に大別され、前者は血液疾患、炎症性疾患とともに、がんのリンパ節転移巣の増大による腫瘤が殆どを占める。がんのリンパ節転移によって腫瘤形成を示す症例の中には、原発巣の特定が容易な症例と、所謂原発不明頸部腫瘤という診断にならざるを得ない症例が・・・
教育講演3、4 呼吸器
間質性肺炎のCRPT(clinico-radiological-pathological-time)症例検討会
-時間的な経過も考慮した検討
2月27日(金) 第3会場 503AB
9:00〜12:15
司会
小倉高志(神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科)
上甲 剛(近畿中央病院放射線診断科)
1)臨床の立場から
小倉高志(神奈川県立循環器呼吸器病センター)
以前は間質性肺炎の診断のゴールドスタンダードは病理診断であった。しかし、2002年のIIPsの国際指針では、特発性間質性肺炎(IIPs)の診断のゴールドスタンダードが病理診断ではなく、最終診断には臨床医、画像医と病理医によるCRP診断(clinical-radiological-pathological correlation)が重要であると・・・
2)画像診断
伊藤春海(福井大学)
間質性肺炎は、肺の小葉、細葉などの肺構成単位の辺縁に分布する、肺胞領域を主に侵すびまん性疾患である。小葉、細葉の辺縁は小葉・細葉中心と共に、HRCTによる画像診断の重要領域となっている。一方肺構成単位の境界には、肺胸膜、小葉間隔壁、区域間隔壁、肺静脈、気管支・肺動脈束などが位置する。特に・・・
3)間質性肺炎:病理診断の意義
武村民子(日本赤十字社医療センター病理部)
間質性肺炎の病理診断は肺小葉、細葉における線維化の分布と線維化の性状、細胞反応、そして肺胞構造の改変に基づいてなされる。
1) 慢性線維化性間質性肺炎のうち、IPF/UIPでは初期病変は小葉・細葉辺縁部(胸膜下、傍隔壁)、ならびに小葉内細静脈に接する肺胞の線維化と・・・
教育講演5 呼吸器
関節リウマチの気道病変を巡って
2月27日(金) 第3会場 503AB
14:00〜15:30
司会
酒井文和(埼玉医科大学国際医療センター画像診断科)
山口哲生(JR 東京総合病院呼吸器内科)
1)関節リウマチの気道病変の画像診断
徳田 均 (東京山手メディカルセンター呼吸器内科)
関節リウマチの固有の肺病変として、気道病変と間質性肺炎がそれぞれ高頻度に合併することは以前から認識されてはいたが、これまで後者については多くの研究が行われ、未だ意見の一致は見ないもののそれなりの検討が積み重ねられてきたが、その一方気道病変については、末梢気道病変である細気管支炎について・・・
2)関節リウマチ患者における気道に関連した感染症の画像診断
叶内 哲(埼玉県立循環器呼吸器病センター放射線科)
関節リウマチ患者は,肺炎に罹患しやすく,重症化リスクが高い.肺感染症では細菌性肺炎の頻度が高いが,生物学的製剤の使用に伴いニューモシスチス肺炎のリスクも増加している.健康者の市中肺炎の診断には,必ずしも胸部CT検査が必要ではないが,リウマチ患者では,既存の呼吸器合併症の評価が必要なこと・・・
3)細気管支病変の病理
蛇澤 晶(東京病院臨床検査科)
閉塞性細気管支炎を,主として小気管支から膜性細気管支が両肺びまん性に侵される炎症性細気管支病変と定義して,膠原病や免疫異常状態を有する症例の病理学的検討を行ったところ,19例に閉塞性細気管支炎が認められた。
閉塞性細気管支炎の病理像は,endobronchiolitis obliterans(EBO)と・・・
教育講演6 消化器
肝腫瘤性病変(1)良性病変
2月27日(金) 第4会場 503CD
9:00〜10:30
司会
蒲田敏文(金沢大学放射線医学)
1)肝良性腫瘍の病理診断
能登原憲司(倉敷中央病院病理診断科)
肝にはさまざまな良性腫瘍、さらには腫瘍類似病変が発生する。これらはまず大きく上皮性と非上皮性に分類され、上皮性病変はさらに肝細胞性と胆管細胞性に分類される。肝細胞性良性腫瘍の代表である肝細胞腺腫は近年、遺伝子異常に基づいて4つに分類され、診断に免疫染色が用いられている。今まで限局性結節性過形成と・・・
2)肝良性腫瘍の画像診断
@FNH、腺腫、NRH、AML、FNH like lesionなど
米田憲秀(金沢大学放射線科)
肝良性腫瘍を正確に画像で診断することは、日常臨床上きわめて重要なことである。肝の良性腫瘍は肝細胞由来、胆管細胞由来、間葉系由来のものに大別され、数多くの疾患が含まれる。今回は、肝良性腫瘍のうち、肝細胞由来より、限局性結節性過形成 (FNH:focal nodular hyperplasia)、肝細胞腺腫 (HCA・・・
3)肝良性病変の画像診断
A肝偽病変、炎症性偽病変、偽リンパ腫、肝血管性病変など
吉田耕太郎(金沢大学放射線科)
肝に生じる肝良性腫瘤は真の腫瘍性病変から非腫瘍性病変まで多岐にわたる。これらのうち、肝細胞性腫瘍である過形成結節や肝細胞腺腫、非上皮性腫瘍である血管筋脂肪腫に関しては既に述べられている。本講演では、良性肝病変のうち偽病変を含めた比較的頻度の高い疾患、また稀ではあるが特徴的画像所見がある・・・
教育講演7 消化器
肝腫瘤性病変(2)悪性病変
2月27日(金) 第4会場 503CD
10:45〜12:15
司会
伊東克能(川崎医科大学放射線医学)
古川博之(旭川医科大学消化器病態外科学)
1)肝悪性腫瘍に対する拡散強調像:臨床における注意点と有用性
柿手 卓(鳥取大学医学部病態解析医学講座 画像診断治療学分野)
近年のMRI装置の高速化等の進歩により、肝臓MRI検査においても拡散強調像(DWI)はその簡便性、有用性から欠かすことのできない基本画像の1つとして広く用いられていている。主に水の拡散制限を描出するDWIは、肝腫瘤の検出や鑑別への寄与においてその有用性は周知の事実で・・・
2)肝悪性腫瘍 −その臨床病理の基礎−
河野裕夫(山口大学大学院保健学科基礎検査学)
肝結節性病変には、原発性良性腫瘍、原発性悪性腫瘍、転移性腫瘍と様々なものがある。この中で、原発性肝癌取り扱い規約およびWHOブルーブックの組織分類に従って、悪性腫瘍の組織像を中心に臨床病理も含め説明する。
肝原発の悪性腫瘍の中で頻度の高いものは肝細胞癌であるが・・・
3)肝悪性腫瘍(肝細胞癌)の外科治療
古川博之(旭川医科大学 外科学講座消化器病態外科学分野)
肝細胞癌に対する治療方針は、肝予備能(Child-Pugh分類、肝障害度)、腫瘍数、腫瘍径を基に決定される。
肝切除は局所制御性において最も確実性が高い治療法であり、ガイドラインの治療アルゴリズムにおいて肝障害度A、Bかつ腫瘍数3個以内が適応と
・・・
教育講演8 消化器
膵腫瘍の診断-鑑別のための基礎知識
2月27日(金) 第4会場 503CD
14:00〜15:30
司会
山口武人(千葉県がんセンター消化器内科)
杉山政則(杏林大学外科)
1)膵腫瘍の臨床的特徴と内視鏡診断(ERCP, EUS)
糸井隆夫(東京医科大学 消化器内科)
膵腫瘍に対する内視鏡診断は超音波内視鏡(EUS)とERCPを用いて行われるが,膵癌診療ガイドラインでも推奨されているようにより低侵襲なEUSでの精査が望ましい.
1. EUS診断:膵腫瘍は腫瘤性病変と嚢胞性病変に大別される.Bモード診断では腫瘤性病変では内部エコー,辺縁の性状,主膵管と・・・
2)膵腫瘍の画像診断 −CT、MRI、PET−
村上康二(慶應義塾大学医学部放射線診断科核医学部門)
膵腫瘍の診断における代表的な断層画像診断はCT, MRIであり、膵癌診療ガイドライン2013年版においては膵癌を疑った場合の2nd ステップの検査法としては必須の検査法(グレードA)として推奨されている。すなわちCTとMRIは膵腫瘍の画像診断としては必ず行うべき検査法であり、今までも本学会で多くの教育講演で・・・
3)膵腫瘍における臨床画像と病理像の対比−非典型例を通じて−
大池信之(昭和大学藤が丘病院 臨床病理診断科)
膵腫瘍のどの組織型においても、臨床画像上、典型例と非典型例がある。その非典型例の画像と病理像の対比を丁寧に検討すると、その腫瘍の病態をより深く知ることにつながる。非典型例の原因として、腫瘍の局在、特殊な組織型、二次変性などが挙げられる。例えば膵頭部発生の膵管癌では、通常、主膵管や総胆管に浸潤し
・・・
教育講演9 消化器
消化管
2月27日(金) 第4会場 503CD
15:45〜17:15
司会
白神伸之(東邦大学医療センター大森病院放射線科)
1)食道癌の治療戦略決定における画像診断の位置づけ
岡住慎一(東邦大学医療センター 佐倉病院外科)
膵腫瘍のどの組織型においても、臨床画像上、典型例と非典型例がある。その非典型例の画像と病理像の対比を丁寧に検討すると、その腫瘍の病態をより深く知ることにつながる。非典型例の原因として、腫瘍の局在、特殊な組織型、二次変性などが挙げられる。例えば膵頭部発生の膵管癌では、通常、主膵管や総胆管に浸潤し・・・
2)画像:CTを中心に
田村謙太郎(慶應義塾大学医学部放射線診断科)
食道癌に診療におけるCTの果たす役割は@原発巣の同定および深達度(周辺臓器への浸潤)の判定A転移の検索B手術時に必要な周辺解剖の把握、以上の3つに分けられる。しかしながら食道癌は粘膜下層を越えて浸潤する癌であってもそもそもCTやMRIでは発見が難しいことが少なくなく、転移リンパ節もサイズが小さいことが・・・
3)食道癌−内視鏡:食道表在癌の内視鏡診断
有馬美和子(埼玉県立がんセンター 消化器内科)
食道癌の手術侵襲は他の消化管癌に比べて高く,合併疾患や他臓器癌の既往を有する症例も多いため早期発見が望まれる.食道表在癌の発見には内視鏡検査が不可欠で,通常光観察でも十分発見が可能であるが,Narrow Band Imaging(NBI)やBlue LASER Imaging(BLI)などの画像強調法を併用すると,多くの病変は
・・・
4)食道の正常組織と病理
根本哲生(東邦大学医療センター大森病院病理診断科)
各科の臨床医、放射線科医そして病理医が協力することで正しい診断が導かれるという”Jaffe’s triangle”の考え方が骨腫瘍の領域では知られているが、これは病理診断が行われる全ての臓器に共通して重要なことである。画像診断も病理診断も「カタチの変化」を拠り所にしているため、多くの場合、病理像の違いは
・・・
教育講演10 泌尿器
腎腫瘤性病変:共有すべき知識とは
2月27日(金) 第5会場 602AB
9:00〜10:30
司会
戸澤啓一(名古屋市立大学腎・泌尿器科学)
楫 靖(獨協医科大学放射線医学)
1)腎腫瘍
岸田 健(神奈川県立がんセンター泌尿器科)
腎臓の良性腫瘍は腎嚢胞や腎血管筋脂肪腫(AML)などがあり、悪性は腎細胞癌及び腎盂癌が主なものである。従来腎腫瘍は出血や播種のリスクが高く生検すべきではないとされてきたが、近年その危険性は低い事がわかってきた。しかし現在でも生検は稀にしか行われず、それは画像診断による悪性鑑別の信頼性が高いためであり・・・
2)腎腫瘤の画像診断
竹山信之(昭和大藤が丘病院放射線科)
腎腫瘤の画像診断においては@良悪性判定A治療方針の決定B腎癌であればsubtype分類 に期待されている。嚢胞性と充実性に分離して画像診断を行う。超音波検査にて単純性嚢胞と確定できない場合はCT. MRIが施行される。単純CTにて0-20HU, 70HU以上で嚢胞と診断される。20-70HUの病変はdynamic studyで・・・
3)病理
三上修治(慶應義塾大学病院病理診断部)
腎細胞癌取扱い規約第3版は形態学的所見を重視した組織分類であったが、2011年に改訂された第4版では、形態学的・分子生物学的知見に基づく分類となった。本講演では、規約の改定に伴う腎腫瘍の疾患概念の変化と臨床・病理が共有すべき知識・鑑別診断について症例を提示して概説する
・・・
教育講演11 泌尿器
前立腺
2月27日(金) 第5会場 602AB
10:45〜12:15
司会
五味達哉(東邦大学医療センター大橋病院放射線科)
黒木嘉典(福岡大学放射線科)
1)泌尿器科
川島清隆(栃木県立がんセンター 泌尿器科)
前立腺癌の治療法に関しては手術では近年ロボット補助下手術が本邦でも急速に普及するほか放射線療法ではIMRT、125I小線源治療、粒子線治療など多くの治療が行われさらに過剰治療を防ぐためPSA監視療法(Active surveillance)も行われるなど多岐にわたっている。病態はPSA値、グリソンスコア、臨床病期により・・・
2)放射線科
黒木嘉典(福岡大学医学部放射線科)
前立腺癌の画像診断は、通常はPSAなどの臨床情報を考慮しながらMRIを中心に存在診断、質的診断、深達度診断と進んでいく。現状ではPSAや前立腺生検から癌が病理学的に診断され、その後画像診断がなされる症例があるが、PSAを考慮し、前立腺生検前にMRIにて診断することが画像診断上は・・・
3)病理
平林かおる(栃木県立がんセンター病理診断科)
前立腺癌の治療方針決定や予後予測因子を推察するにあたり、正確な病理診断が求められていることは言うまでもない。術前のパラメーターとしてPSA値、臨床病期と共に生検のGleasonスコアによりリスク分類がなされるが、スコア評価については各施設間で差が見られることも事実である。1本のコア内での占拠率や
・・・
教育講演12 中枢神経
脳炎・脳症
2月27日(金) 第5会場 602AB
10:45〜12:15
司会
興梠征典(産業医科大学放射線科)
1)小児急性脳炎・脳症の画像所見
掛田伸吾、興梠征典(産業医科大学・放射線科)
小児の急性脳炎・脳症の多くは、ウイルス感染を契機に発症する。通常、起因病態により呼称される場合が多く、その代表的なものにインフルエンザウイルス脳症、単純ヘルペス脳炎、ヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6) 脳炎・脳症、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)脳炎、日本脳炎、エンテロ71脳炎(脳幹脳炎)などがある・・・
2)臨床
下野昌幸(産業医科大学小児科)
脳炎は主にウイルスが脳内で炎症を起こす疾患である。ウイルスは世界各地に中枢神経系親和性の強い病原体が存在し、地域性を持って発症してきた。しかし交通網の発達から、近年そのグローバル化が認められる。一方、免疫が関与する脳炎の報告も認識されるようになった。様々な脳内蛋白に自己抗体を作り、予後も症状も・・・
3)病理
豊島靖子(新潟大学脳研究所病理学)
我々が通常経験する脳症の症例は、何らかの感染症などをきっかけに急性な経過で意識障害を呈し亡くなった方が多い。重篤な経過であったにも関わらず、脳には浮腫以外の所見がないことが少なからずある。このような症例の主病態はサイトカインストームと考えられ、血管内皮の障害、血管透過性の亢進、血液脳関門の・・・
教育講演13 中枢神経
水頭症、脳脊髄液減少症
2月27日(金) 第5会場 602AB
15:45〜17:15
司会
岡本浩一郎(新潟大学脳研究所脳神経外科)
栗原紀子(国立病院機構仙台医療センター放射線科)
1)臨床
西山健一(新潟大学脳研究所脳神経外科分野)
脳脊髄液の産生、吸収、および脳室とクモ膜下腔での動態異常、さらには関連する頭蓋内圧変化は、中枢神経系に各種病態を惹起する。臨床診断としての「閉塞性水頭症」、「特発性正常圧水頭症」、「特発性頭蓋内圧亢進症」、「脳脊髄液減少症」等がそれである。臨床現場において治療方針を考える上では、病態の時間的、・・・
2)水頭症・脳脊髄液減少症の画像診断
栗原紀子(国立病院機構仙台医療センター放射線科)
1. 水頭症:高齢者において、水頭症と脳萎縮の鑑別が難しいことは少なくない。水頭症を示唆するポイントをまず呈示する。水頭症と診断されたら、交通性・非交通性の鑑別が重要であるが、鑑別には正中〜傍正中の3D矢状断が有用である。原因が明らかでない場合、初回検査で追加することが望ましい。中脳水道狭窄でも、・・・
3)病理
豊島靖子(新潟大学脳研究所病理学)
先天性の水頭症は遺伝的な背景を持つことが多く、常染色体劣性や伴性劣性遺伝形式の症例がある。これらの症例は胎内で診断がつき重症であることが多い、後天性の水頭症は、交通性のものと閉塞性のものがあり、しばしば他の疾患に合併して認められる。閉塞性の水頭症は脳室のいずれかの部位に髄液の流れを妨げる病変が・・・
教育講演14 循環器
心臓の炎症性疾患の臨床・画像・病理について:
心臓サルコイドイーシスを中心に
2月27日(金) 第6会場 602CD
9:00〜10:30
司会
諸井雅男(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科)
今中恭子(三重大学病理学)
1)心臓の炎症性疾患―とくに心サルコイドーシスの臨床についてー
廣江道昭(国立国際医療研究センター循環器内科)
近年、心疾患に見られるリモデリング進展などの病態に、“急性炎症”以外に“慢性炎症”が深く関わりあっていることが解明されつつあります。それに伴い心臓の炎症性疾患として”Inflammatory cardiomyopathy”なる疾患概念が提唱されている。本症には、急性心筋炎(リンパ球性)、好酸球性心筋炎、巨細胞性心筋炎など生命予後に・・・
2)心臓サルコイドーシスの画像診断−核医学を中心に−
木曽啓祐(国立循環器病研究センター放射線科)
サルコイドーシスは全身性の類上皮細胞肉芽腫を伴う炎症性疾患で、一般的には予後良好であるが、心病変(心サ症)の合併により極めて予後不良に転ずることが知られている。そこで、心サ症の早期診断が非常に重要視されており、2006年に公表された診断の手引きでは核医学やMRIが有用な画像診断法として挙げられている・・・
3)病理
今中恭子(三重大学大学院修復再生病理学)
心筋梗塞やウイルス性心筋炎でみられるように、本来、炎症は傷害を受けた組織やその原因を排除し、修復過程を開始するために生体に必須な反応である。しかしながら、その反応が強すぎたり、遷延化したり、自己免疫やアレルギーなどのように不適切な反応のときには、逆に炎症による組織破壊が優勢になる・・・
教育講演15 循環器
心筋症
2月27日(金) 第6会場 602CD
9:00〜10:30
司会
諸井雅男(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科)
今中恭子(三重大学病理学)
1)心筋症の臨床
野口暉夫(国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門 冠疾患科)
心筋症には特発性心筋症と特定心筋症(従来の2次性心筋症)がある。
本教育講演では、特発性心筋症である1)拡張型心筋症、2)肥大型心筋症(閉塞性肥大型心筋症、非閉塞性肥大型心筋症、心尖部型肥大型心筋症)、3)拘束性心筋症、4)不整脈源性右室心筋症について、初発症状から診断までのプロセス・・・
2)心筋症の画像
北川覚也(三重大学医学部附属病院中央放射線部)
心筋症の画像診断において、シネMRIによる再現性の高い心機能計測と遅延造影MRIによる心筋組織性状評価は欠くことのできない要素である。遅延造影MRIはガドリニウム造影剤の平衡相における分布を観察するもので、線維化等による間質拡大が心筋のどの部位に生じているかを評価することが、心筋症の鑑別に役立つことが・・・
3)心筋症の病理
植田初江(国立循環器病研究センター)
特発性(原発性)心筋症は不可逆性であり、心臓移植のみが治療手段であると言われてきた。日本では、1997年臓器移植法が制定されて2年後に国内で第1例目の脳死心移植が心筋症症例に施行されて以来、2014年11月現在160例近くが日本国内で施行され、その適応疾患の多くは心筋症である。一方、心筋症の治療に関しても・・・
教育講演16 中枢神経
画像、臨床、病理からみた認知症診断と画像診断の位置付け
2月27日(金) 第6会場 602CD
9:00〜10:30
司会
水村 直(東邦大学医療センター大森病院放射線科)
山崎峰雄(日本医科大学千葉北総病院神経内科)
1)画像
水村 直(東邦大学医療センター大森病院放射線科)
認知症診断では臨床症状や経過が最も重要な所見であるが、病早期に診断に迷う例では画像所見が診断補助となることがある。進行性核上性麻痺、多系統萎縮症などの変性疾患ではMRIによる形態診断が有効となり、器質疾患の除外鑑別にも用いられる。アルツハイマー型認知症(AD)などの認知症でも画像統計解析を用いた、・・・
2)臨床
清水聰一郎(東京医科大学病院高齢診療科)
本邦において,2012年の認知症高齢者数は,推計462万人であったとされている.原因疾患としては,アルツハイマー病(Alzheimer Disease: AD)に次いで,脳血管性認知症とレビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies: DLB)が多い.また,若年性認知症の原因脳変性疾患では,ADに次いで前頭側頭葉変性症
・・・
3)病理
山崎峰雄(日本医科大学千葉北総病院 神経内科)
日常臨床における認知症の画像診断を行う上で、必要な認知症(アルツハイマー病、レヴィ小体型認知症、高齢者タウオパチー(嗜銀顆粒性認知症を中心に))の病理を呈示する。多くの病理は最終像であり、早期診断を目標とする画像診断にどれほど寄与できるかは不明だが、病理変化がどのような形で進展していくのかを理解する・・・
教育講演17 中枢神経
脳血管障害
2月28日(土) 第2会場 501B
10:45〜12:15
司会(抄録)
井口保之(東京慈恵会医科大学神経内科)
上野祐司(順天堂大学神経学)
1)臨床
三村秀毅(東京慈恵会医科大学神経内科)
脳血管障害は、2010年度に疾患別死亡原因は肺炎に次ぎ第4位となり、死亡率は徐々に低下している。一方で、発症患者数は年々増加し、寝たきりの原因疾患の第1位となっており、今後ますます後遺症を有する患者が増えることが予想される。従って脳卒中、特にその2/3を占める脳梗塞の治療、発症および再発予防の対策を・・・
2)脳血管障害の病理
仙石 錬平(東京都健康長寿医療センター 神経内科)
まずは、脳血管障害の中でも梗塞に主眼を置き、以前より提唱されている脳梗塞の3病型(ラクナ梗塞、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞)の病理像を提示する。その際に、時期が経るとどのように病理像が変化していくのかも教示する。
また、他の出血性脳血管障害疾患(くも膜下出血、脳出血)に・・・
3)脳血管障害における画像検査
青木淳哉・木村和美(日本医科大学大学院 神経内科学分野)
脳血管障害のおける画像検査は、1)脳血管障害の正確な診断、2)急性期治療方針の決定、及び3)脳血管障害後の転帰予測を可能とする。画像検査にはMagnetic resonance imaging(MRI)検査とComputed tomography(CT)検査がある。CT検査の最大の利点は、迅速に評価が行えることである。造影剤を用いた・・・
教育講演18 中枢神経
小児脳腫瘍
2月28日(土) 第2会場 501B
14:00〜15:30
司会
常喜達裕(東京慈恵会医科大学脳神経外科)
柳澤隆昭(東京慈恵会医科大学脳神経外科)
1)臨床
柳澤隆昭(東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座)
小児脳腫瘍は、小児がんにおいて白血病につぐ頻度をもつ小児期最多の固形腫瘍である。集学的治療の導入による治療に進歩にも関わ
らず、小児脳腫瘍は、小児がんによる死因の首位を占め、小児がんによる合併症と後遺症の最大の要因となっている。小児脳腫瘍患者の生存率の向上と・・・
2)画像
松島理士(東京慈恵会医科大学放射線医学講座)
脳腫瘍の画像診断は典型的な所見を呈する症例に関しては診断可能であるが、その病理組織学的な多彩性を反映し画像所見も多彩になりうるため、’’一筋縄’’ではいかない画像診断の難しい領域とも言える。さらに小児脳腫瘍は小児特有の組織型も存在し、その特有性からさらに一層難しい領域と思われる・・・
3)病理
藤ヶ崎純子(東京慈恵会医科大学神経病理学研究室)
脳腫瘍は病理学的に発生母地および分化に基づいて分類される。WHOが提唱する病理組織型は亜型を含めると百数十に及ぶ。特に小児脳腫瘍の組織像は症例ごとに多彩で、診断に苦慮することが多い。加えて近年、これまでの病理組織分類に分子学的要素を加味した再分類が行われつつある。新たな組織分類は予後や治療に・・・
教育講演19 中枢神経
外傷
2月28日(土) 第2会場 501B
15:45〜17:15
司会
常喜達裕(東京慈恵会医科大学脳神経外科)
柳澤隆昭(東京慈恵会医科大学脳神経外科)
1)臨床
山畑佳篤(京都府立医科大学 救急・災害医療システム学)
救急医療の臨床現場では「外傷初期診療ガイドライン」に基づいた診療が行われている。救急室にたどり着けたものの、救急室もしくは手術室で命を落とす症例の中には、迅速な初期治療と迅速な診断によって助けうる症例がある。避けられた外傷死を無くす、という点が目標である。外傷症例へのアプローチは、見た目の・・・
2)病理
豊島靖子(新潟大学脳研究所病理学)
我々の施設で頭部外傷症例を検索してみたところ、1980年台までは年間数例から十数例交通外傷などの剖検例があったが、その後画像診断の発達と共に極端に症例が減少しており、現在ではほとんど経験しない。しかし、他の疾患で剖検になった症例で古い脳挫傷の瘢痕などを目にする機会は比較的多い。脳の外傷では、・・・
3)頭部外傷
山田惠(京都府立医科大学放射線診断治療)
頭部外傷の画像診断においてはまずCT が優先されるのは論を俟たない。CT を読影する際には受傷起転に関して意識する必要がある。ただこれが依頼コメントにしっかりと書いてある事例は比較的少ないため,自身でそれを想像しながら読影を始める必要がある。従って読影に際しては皮下血腫の位置は必ず確認する必要がある・・・
教育講演20 呼吸器
COPD のフェノタイプを考える
2月28日(土) 第6会場 602CD
15:45〜17:15
司会
中島康雄(聖マリアンナ医科大学放射線科)
1)病理
岡 輝明(関東中央病院臨床検査・病理科)
□□□□□□・・・
2)画像
倉島一喜(埼玉県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科)
1. CT肺気腫の有無によるCOPD phenotypeと臨床との関連
COPDGene studyでは喫煙歴のある慢性気流閉塞(PAL)をきたす患者で気腫のある人は13.2%と少なく鑑別診断の重要性が再認識された。COPD気腫型と気道病変型の分類法についてはいくつかの報告がある。当院では2001年からPALを・・・
3)臨床
牧田比呂仁(北海道呼吸器疾患研究所)
北海道COPDコホート研究は、2003年より北海道大学病院を中心に札幌市近郊の関連医療機関と共同で行った前向き観察研究である。研究の主目的は、全症例で肺CT検査と気流閉塞の可逆性試験を含む精密呼吸機能検査を経時的に追跡調査し、病型分類に基づいたCOPDの自然歴を明らかにすることにあった。また副目的として・・・
教育講演21 呼吸器
インフルエンザ肺炎
2月28日(土) 第3会場 503AB
10:45〜12:15
司会
小山信一郎(自治医科大学附属さいたま医療センター呼吸器内科)
石井芳樹(獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科)
1)インフルエンザの病理
堤 寛(藤田保健衛生大学医学部病理学)
新型(豚)インフルエンザ(H1N1)による剖検例をまず紹介する。2009年、メキシコに始まった新型インフルエンザはパンデミックに至り、日本でも多数の感染者がでた。日本での死亡率は低かったが、死亡例ではほぼ例外なく、びまん性肺胞傷害(DAD)を呈した。2009年9月、新型インフルエンザに罹患した30代男性が・・・
2)臨床
池松秀之(久留米臨床薬理クリニック、日本臨床内科医会インフルエンザ研究班)
インフルエンザ肺炎はインフルエンザに関連して起こる肺炎の総称で、インウイルス自体によるウイルス性肺炎、ウイルスと細菌が同時に関与している混合感染型肺炎、ウイルスが消失後あるいはまだ残っている時期に細菌によって引き起こされる2次性細菌性肺炎があり、死因としては2次性細菌性肺炎が重要である・・・
3)画像
岡田文人(大分大学医学部放射線科)
インフルエンザは、2009-10年のH1N1pdmを除いてほぼ冬に流行を認め、冬期における市中肺炎の重要な位置を占める.2011-12年、H1N1pdmはほぼ消失し、2012-13年でもごくわずか(0.8%)にしか認められない.
一般的にインフルエンザに伴う肺炎は、原発性(純)インフルエンザ肺炎・・・
教育講演22 呼吸器
遺伝子異常からみた肺癌の臨床・病理・画像所見
2月28日(土) 第3会場 503AB
14:00〜15:30
司会
副島研造(慶應義塾大学呼吸器内科)
負門克典(がん研究会有明病院画像診断部)
1)臨床
関 順彦(帝京大学腫瘍内科)
□□□□□□□□□□□□□□□□□□・・・
2)臨床
横瀬智之(神奈川県立がんセンター 病理診断科)
近年、肉眼形態、IASLC/ATS/ERS分類あるいは新WHO分類(2015)に基づく肺腺癌組織亜型分類と遺伝子変異の間に関連があるのではないかと考えられている。
肺腺癌の約40%にEGFR変異がみられ、それらの腺癌は野生型に比べて早期肺癌が多く、術後5年生存率が高いこと、また、Exon21 L858R変異例は・・・
3)画像
負門 克典(がん研有明病院画像診断部)
遺伝子異常という観点から肺癌画像診断をどう考えるか?添付図は左肺上区と左肺下葉の2個の病変を有する症例であるが、左肺上区の胸膜陥入像を伴う part-solid GGN(a)は EGFR mutation 陽性肺腺癌で、左肺下葉の不整形充実性結節(b)はEML4-ALK陽性肺腺癌の同時多発症例であった。最終的に採取された検体の
・・・
教育講演23 呼吸器
肺循環障害:二次性肺高血圧症の臨床・画像・病理
2月28日(土) 第3会場 503AB
15:45〜17:15
司会
坂巻文雄(東海大学医学部附属八王子病院呼吸器内科)
守尾嘉晃(順天堂大学呼吸器内科)
1)慢性呼吸器疾患に伴う二次性肺高血圧症の臨床像
長岡鉄太郎(順天堂大学 呼吸器内科)
間質性肺炎やCOPDなどの慢性呼吸器疾患における二次性の肺高血圧症(PH)の合併は、予後不良因子となることが知られている。2012年に英国より報告されたPHの大規模レジストリーの解析結果では、他の肺高血圧症と比べて、呼吸器疾患関連PHの生命予後が最も不良であった。肺動脈性肺高血圧症の治療がめざましい進歩を遂げている一方で、呼吸器疾患関連PHの治療に関するエビデンスは・・・
2)画像と臨床
杉浦寿彦(千葉大学医学研究院呼吸器内科学)
肺高血圧症の診断において、膠原病・呼吸器疾患・左心系疾患等の存在の鑑別、すなわち二次性肺高血圧症か否かの鑑別はきわめて重要であるが、それら鑑別のために、CT、エコーといった画像モダリティの役割は大きい。
また肺高血圧症の診断や病勢評価のためには、侵襲的な検査である
・・・
3)二次性肺高血圧症の病理
大郷恵子(国立循環器病研究センター臨床病理科)
肺高血圧症の特徴的病理所見は、肺末梢の肺動脈における1) 壁肥厚による閉塞性病変と、2) plexiform lesion、拡張病変および血管炎からなる複雑な複合病変である。特に後者は、重症・急速進行性肺高血圧のマーカーとなる病変で、特発性肺動脈性肺高血圧症(従来の原発性肺高血圧症)や先天性シャント性心疾患に伴う
・・・
教育講演24 消化器
良性肝細胞性結節
2月28日(土) 第4会場 503CD
9:00〜10:30
司会
近藤福雄(帝京大学医学部附属病院病理診断科)
斎藤 聡(虎の門病院肝臓内科)
1)病理
近藤福雄(帝京大学医学部附属病院病理診断科)
良性肝細胞性結節には様々な種類があり,従来から,その診断基準は詳細に設定されていた。しかし,肝細胞腺腫(HCA)に関して,2010年の新WHO分類により,肝細胞腺腫の分子病理学的性格を反映した免疫組織化学的診断法が導入されるようになった。そしてHCAは4つの亜型に分類され,また,それはFNHとの鑑別に・・・
2)肝結節性病変を認める先天性門脈体循環シャントは治療すべきか?
眞田幸弘(自治医科大学移植外科) 他
【背景】先天性門脈体循環シャント(CEPS)は、限局性結節性過形成(FNH)等の良性肝細胞性結節を認めることがあるが、肝細胞腺腫(HCA)等の腫瘍性病変の報告もある。今回、肝結節性病変を有するCEPSに対して外科的治療を施行し、治療適応に関して後方視的に解析したので報告する。
【方法】対象は当科で外科的治療を行った肝結節性病変を有する・・・
3)画像
植田琢也(聖路加国際病院放射線科)
従来、肝細胞腺腫(HCA)・限局性結節性過形成(FNH)を主軸とする様々な良性肝細胞性結節に対しては、従来から病理的・臨床学的・画像的側面から様々な検討がされていたが、所見の類似性・各病態の重複・臨床上良性病変に対するストラテジーの難しさなどから、その疾患体系には多くの混乱が生じていた。2010年の新WHO分類では、HCAの分子病理学的性格による4つの亜型分類が提唱され・・・
教育講演25 消化器
胆道疾患
2月28日(土) 第4会場 503CD
10:45〜12:15
司会
露口利夫(千葉大学消化器・腎臓内科学)
中沼安二(静岡がんセンター病理診断科)
1)臨床
露口利夫(千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学)
2014年11月に胆道癌診療ガイドラインが第2版に改訂された。診断アルゴリズムでは本邦で広く普及しているMDCTがセカンドステップとなり、MRCP、超音波内視鏡(EUS)、ERCPなどはサードステップの位置づけとなった。胆道癌術前ドレナージ法として第1版では「経皮経肝的、内視鏡的、観血的ドレナージのいずれを・・・
2)胆道癌に関連する画像診断
堀越琢郎(千葉大学医学部附属病院放射線科)
近年、MDCT(multidetector row CT)とMRIの進歩にはめざましいものがあり、胆道癌の画像診断にも大きな進歩が見られる。薄いスライスによる多相ダイナミックCTや多方向の再構成画像、3D画像は当たり前のように日常臨床で活躍するようになった。またMRIではMRCP、ダイナミックMRI、拡散強調像を始めとした
・・・
3)胆道疾患 病理
中沼安二(静岡がんセンター 病理診断科)
胆道は樹枝状の三次元的な分布を示す肝内胆管が肝内で次第に合流し、肝内大型胆管となり、左右肝管が合流し、肝外胆管となり、十二指腸に開口する。嚢状の胆嚢が胆嚢管を介して肝外胆管に開口する。解剖学的に胆管被覆上皮およびその直下の固有層からなる胆道粘膜(粘膜)、胆管壁である線維筋層(胆嚢では固有筋層)および・・・
教育講演26 消化器
びまん性肝疾患:線維化診断について
2月28日(土) 第4会場 503CD
14:00〜15:30
司会
森 秀明(杏林大学消化器内科)
関口隆三(東邦大学医療センター大橋病院放射線科)
1)超音波エラストグラフィー
今井康晴(東京医科大学八王子医療センター消化器内科)
びまん性肝疾患のうち、慢性肝疾患の診療において肝線維化の程度を知ることにより肝細胞癌の発癌率や抗ウイルス療法の治療効果を予測することが可能となる。従来から肝線維化の程度は肝生検で行われているが、その侵襲性と診断の客観性の不足という問題があった。近年、画像診断による硬さの診断が可能となり、肝臓に・・・
2)MRIテクスチャ解析
山田 哲(信州大学医学部附属病院 放射線科)
肝線維化診断の gold standard は経皮的肝生検であるが,高い侵襲性,sampling errorの可能性,主観的診断基準などの問題点がある.一方,テクスチャ解析は「粗い」・「滑らか」などの一般的な材質の記述をピクセル強度の空間的な変動の関数として数量化する試みであり,近年画像診断領域への応用が進んでいる
・・・
3)びまん性肝疾患:病理からの線維化診断
松本俊治(順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科)
びまん性肝疾患で線維化の最終局面である肝硬変を引き起こす要因・代表的な疾患を表1に示す。表1の各疾患での肝線維化診断のポイントは以下の如くである。
肝炎ウイルス(B型、C型)による慢性肝炎、肝硬変では、門脈域線維化、門脈域周囲線維化、架橋線維化、肝小葉構造の改築、再生結節の判定が重要で・・・
教育講演27 消化器
びまん性肝疾患:肝血流に関して
2月28日(土) 第4会場 503CD
15:45〜17:15
司会
小川真広(日本大学病院消化器内科)
小泉 淳(東海大学放射線科)
1)造影超音波検査を用いた、びまん性肝疾患の肝血流評価
和久井紀貴、住野泰清(東邦大学医療センター大森病院消化器内科)
造影超音波で得られる情報は、高い空間・時間分解能に支えられ、きわめて詳細な肝血流の解析が可能である。我々の施設では現在、造影早期血管相におけるArrival-time Parametric Image(AtPI)および後血管相(Kupffer phase)におけるマイクロバブル崩壊深度(flash-replenishment sequence:FRS)を検討している・・・
2)CT・MRI
大久保裕直(順天堂大学練馬病院消化器内科)
肝臓は動脈・門脈の二重支配を受け、相補性を有しながら血流を調節する臓器である。これらの変化は動脈、門脈を分離する唯一の検査法であるCTHA/CTAPで評価可能であり、種々の画像所見と病態が血流の側面から明らかになってきた。慢性肝炎から肝硬変へ進展するにつれ、右葉前区域、左葉内側区の萎縮が生じ、左葉外側区の
・・・
3)病理
大部 誠(北里大学医療衛生学部病理学)
肝血流に対するアプローチは古くから画像診断の独壇場であり、病理組織像から肝血流を敷衍することは必ずしも容易ではない。しかし、画像診断の読解に病理組織の理解は必須であり、ここでは以下の4点について述べる。@肝硬変の肝内微小循環:肝静脈枝が線維性隔壁の中に巻き込まれて生ずる後類洞性ブロックが主体で・・・
教育講演28 婦人科・周産期
卵巣明細胞腺癌をめぐる最近の話題
2月28日(土) 第5会場 602AB
9:00〜10:30
司会
清川貴子(東京慈恵会医科大学病理学)
北井里実(東京慈恵会医科大学放射線医学)
1)臨床
山田 恭輔(東京慈恵会医科大学 産婦人科)
卵巣明細胞腺癌は子宮内膜症からの発生、化学療法抵抗性、血栓症の合併の問題など特異な臨床像をみる。比較的早期癌として発見されることが多くIa期に限れば予後良好であるが、進行癌においては予後不良である。子宮内膜症性嚢胞の癌化率は0.68-0.84% と報告され、嚢胞内に充実部分を伴う場合や閉経前後に増大するものは・・・
2)画像
北井里実(東京慈恵会医科大学放射線医学講座)
卵巣腫瘍の術前画像診断で明細胞腺癌を診断することは有用である。卵巣癌治療ガイドラインにおいて、明細胞腺癌はIa期であっても妊孕性温存術が推奨されていないため、画像診断は卵巣腫瘍の治療方針決定に重要な情報を与える。また、明細胞腺癌に高い頻度で合併する静脈血栓症を診断することも重要となる ・・・
3)病理
清川貴子(東京慈恵会医科大学 病理学講座)
豊富なグリコーゲンにより淡明な胞体を有する細胞ないしhobnail 型細胞を主体とする腫瘍細胞で構成される腺癌を明細胞腺癌という.内膜腺のArias-Stella reaction(内膜腺の妊娠性変化)の形態を模倣する腫瘍と考えると理解しやすい.卵巣癌に占める割合は欧米(5-12%)に比してわが国では25%と高率である.通常片側性で・・・
教育講演29 婦人科・周産期
子宮体癌:術前画像診断と最適な治療選択
2月28日(土) 第5会場 602AB
10:45〜12:15
司会
清川貴子(東京慈恵会医科大学病理学)
高濱潤子(奈良県立医科大学放射線科)
1)臨床
三橋 暁(千葉大学大学院医学研究院生殖医学)
子宮体癌の初回治療は、手術不能例(進行例、合併症例)にたいし化学療法や放射線治療が選択される場合を除き手術療法が標準治療である。また、条件が許せば、黄体ホルモン製剤による妊孕性温存(子宮温存)治療が許容されている。子宮体癌の予後は、術後進行期および再発リスク因子に相関する。そのため、治療前に
・・・
2)画像
高濱潤子(奈良県立医科大学 放射線医学教室)
子宮体癌の術前画像診断にはUS、MRI、CT、FDG-PETなどが用いられるが、特にMRIは術前の局所腫瘍深達度に有用な診断法である。本講演では、MRIの画像所見を中心に述べる。
1. 子宮体癌の術前病期診断、特に局所深達度診断の基本:腫瘍はMRIの ・・・
3)病理
清川貴子(東京慈恵会医科大学 病理学講座)
子宮内膜癌の治療選択に関わる最近の病理学的話題のうち以下についてのべる.
1. 異型ポリープ状腺筋腫(APA)と内膜癌:APAは,子宮内膜腺とその周囲の平滑筋性間質の増殖で構成される腫瘤形成性病変である. APA内に腺癌と同様の像を示す例では,保存的治療後の再発頻度が高いが予後は良好である(APA-LMP)・・・
教育講演30 IT
IT
2月28日(土) 第5会場 602AB
14:00〜15:30
司会
清川貴子(東京慈恵会医科大学病理学)
高濱潤子(奈良県立医科大学放射線科)
1)スマートデバイスの利用
中田典生(東京慈恵会医科大学放射線医学講座)
日本においては、放射線科領域の医用画像のフィルムレス化、すなわちPACSによるDICOM画像保存がほぼ達成された。これに伴いコンピュータによる読影システムの導入も急速に進んだ。しかし読影作成のプロセスは単なるワープロ文章作成機能にすぎない。一方、世界的な電子カルテ普及の時代を迎えて真に有用な医療情報の
・・・
教育講演31 婦人科・周産期
周産期
2月28日(土) 第5会場 602AB
15:45〜17:15
司会
宮嵜 治(国立成育医療研究センター放射線診療部)
藤野明浩(慶應義塾大学小児外科)
1)胎児消化管閉鎖/腹部嚢胞性疾患の出生前診断-胎児MRI
桑島成子(獨協医科大学放射線科)
胎児MRIの基本撮影法は羊水が高信号を示し、臓器とのコントラストが良好な高速T2WIである。消化管の評価には胎便が高信号を示すT1WIを撮影する。胎便は13週頃から産生され、ゆっくり小腸から大腸、直腸へと遊走する。小腸は胎便の信号から羊水の信号へと変化することになる
・・・
2)児消化管病変、先天性腹部嚢胞性疾患の病理
松岡健太郎(国立成育医療研究センター 病理診断科)
消化管奇形のいくつか多くは新生児期に重篤な症状を呈する。しかしながら、近年胎児期画像診断の発達により、これらのいくつかは出生前胎児診断が可能となって来た。
先天性消化管疾患の表現型は基本的に閉鎖もしくは狭窄であり、臨床的にはこれらの異常を解除、修復することが治療につながる ・・・
3)産婦人科
和田 誠司(国立成育医療研究センター 胎児診療科)
胎児期にみられる腹部嚢胞性疾患は消化管閉鎖や消化管重複症などの消化器系疾患,総胆管嚢腫、肝嚢胞などの肝胆道系疾患,多嚢胞性腎異形成、下部尿路閉塞、水腎症などの腎泌尿器系疾患,他にも卵巣嚢腫や副腎腫瘍など様々である.出生後の精査の結果で治療方針の選択が出来る疾患もある一方で,胎児期からの・・・
教育講演32 小児
先天性尿路閉塞性疾患の臨床・画像・病理
2月28日(土) 第6会場 602CD
9:00〜10:30
司会
野坂俊介(国立成育医療研究センター放射線診療部)
北川博昭(聖マリアンナ医科大学小児外科)
1)先天性水腎症の予後と胎児治療の有効性
北川博昭(聖マリアンナ医科大学小児外科)他
はじめに:水腎症は胎児期に診断されることが多く胎児診断された水腎症の自然経過は不明な点が多い。また、これらの患児に胎児治療が有効かどうかを羊の尿路閉塞モデルを作成し検討した。最後に胎児治療が臨床的に有効か、尿路閉塞患児の全国調査をおこない臨床データーを基に将来展望を検討した
・・・
2)画像
宮坂実木子(国立成育医療研究センター 放射線診療部)
先天性尿路閉塞性疾患は,胎児超音波によるスクリーニングで診断される頻度の高い疾患である.近年では,胎児MRIが施行されることも増え,出生前後で尿路閉塞性疾患の病態を画像で比較することも可能となっている.胎児期より尿路拡張をきたす疾患には,腎盂尿管移行部狭窄,膀胱尿管移行部狭窄,重複腎盂尿管, ・・・
3)先天性尿路閉塞疾患の病理
小池淳樹(川崎市立多摩病院病理診断科)
先天性尿路閉塞疾患 (congenital urinary tract obstruction: CUTO) は,腎盂尿管移行部狭窄症,巨大尿管症,尿管瘤などの尿管閉塞と後部尿道弁に代表される尿道閉塞があり,水腎症や小児期の腎機能障害/慢性腎不全の原因となることが問題である.CUTOに対する胎児治療の研究に用いられている羊胎仔尿路閉塞モデルの・・・
教育講演33 小児
小児腹部救急疾患のピットホール
2月28日(土) 第6会場 602CD
10:45〜12:15
司会
宮坂実木子(国立成育医療研究センター放射線診療部)
古田繁行(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院小児外科)
1)診断に難渋した症例
古田繁行(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院こどもセンター 小児外科)
小児外科で扱う急性腹症の多くは急性虫垂炎である。急性虫垂炎の発症年齢は頻度の差こそあれ各年齢層に発症し得るため、まずは急性虫垂炎を念頭に置いた診療が行われる。虫垂炎の臨床像は以外に多彩で、虫垂炎の診断が遅れると腹痛のピークを超えて痛みが和らぎ、そこに解熱鎮痛剤や抗生剤の投薬が加わると
・・・
2)画像
野坂俊介(国立成育医療研究センター放射線診療部)
一般的に、小児は、放射線感受性が高い、体格が小さい(臓器が小さい)、検査の際に必ずしも協力的でない、といった特徴がある。小児腹部救急疾患の画像診断は、これらの特徴を考慮し、可能な限り低侵襲で多くの情報が得られる検査法を組み合わせて行うべきである。通常は、腹部単純X線撮影と超音波検査を組み合わせる ・・・
教育講演34 循環器
大動脈解離の画像診断‐病態に迫る
2月28日(土) 第6会場 602CD
14:00〜15:30
司会
松永尚文(山口大学放射線医学)
1)臨床の立場から
圷 宏一(日本医科大学附属病院心臓血管集中治療科)
急性大動脈解離(AAD)は循環器疾患としては急性期死亡率が高く、東京CCUネットワークのデータでは急性心筋梗塞(AMI)が6%程度であるのに対し本疾患は10%弱である。また、症状が多彩であり誤診率が高い(38-57%)にもかかわらず、発症から急変までの時間が短いことから訴訟となりやすく、対応に注意が必要である・・・
2)画像
末吉英純(長崎大学放射線科)
大動脈解離は、急速に致死的な経過を辿るうる疾患であり、その救命や予後の向上には正確かつ迅速な画像診断が必須である。MDCTの導入などにより、大動脈解離を始め、急性大動脈疾患が疑われる場合はまずCTが施行されることが多い。CTで大動脈解離が認められたならば、それが確定診断となりうる・・・
3)大動脈解離の病理
羽尾裕之(兵庫医科大学 病院病理部)
大動脈解離はMarfan症候群などの結合組織病や高血圧が認められることが多いが、まれに大動脈炎が関与することもある。もちろん高血圧の患者すべてに解離が起こるわけではなく、結合組織病以外の解離症例における中膜の変性メカニズムは不明な点が多い。高血圧を背景とした大動脈解離の発症ピークは70−80歳代であり・・・
教育講演35 乳腺
乳癌診療の基礎-診断から治療の流れ
2月28日(土) 第6会場 602CD
15:45〜17:15
司会
中島康雄(聖マリアンナ医科大学放射線科)
1)乳癌の画像診断
岡本聡子(聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック 放射線科)
急性大動脈解離(AAD)は循環器疾患としては急性期死亡率が高く、東京CCUネットワークのデータでは急性心筋梗塞(AMI)が6%程度であるのに対し本疾患は10%弱である。また、症状が多彩であり誤診率が高い(38-57%)にもかかわらず、発症から急変までの時間が短いことから訴訟となりやすく、対応に注意が必要である・・・
2)病理:乳腺病理の基礎
熊木伸枝(東海大学医学部基盤診療学系病理診断学)
ヒトの乳腺は胸部の大胸筋前面に左右一対ある。乳腺組織は周囲の脂肪組織ごと浅胸筋膜の浅層と深層に挟まれるように存在し、筋膜浅層からのびるCooper靱帯によって支えられている。乳腺は15-25の腺葉と呼ばれる独立した腺単位からなり、各腺葉からのびた主乳管が乳頭に開口する。腺葉の中で乳管は樹枝状に多数に分岐して・・・
3)乳癌診療の基礎
羽尾裕之(兵庫医科大学 病院病理部)
乳癌に対する治療は近年著しく変化しており,特に原発巣に対する局所療法においては,根治性を維持しつつQOLの向上を図る低侵襲治療へと推移しつつある.19世紀末にHalstedにより確立した胸筋合併乳房切除が1970年代前半まで行われていたが,その後胸筋温存乳房切除が一般的となり,1980年代にはNSABP B-06及び・・・
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