この度、第39回日本画像医学会を主催させていただきます神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科、小倉高志でございます。
第39回学術集会においても、福田国彦前理事長と陣崎雅弘理事長が推し進め確立してきた「臨床医、画像医、病理医の連携(トライアングル)」というコンセプトをそのまま継承したプログラムを作成したいと考えました。更に、我々が以前から間質性肺炎の診断のアプローチとして用いていたCRPT診断を基調テーマとしたいと思います。CRPT診断とは、一時点での臨床医、画像医と病理医によるCRP診断(clinical-radiological-pathological correlation)にくわえて、画像・臨床データーの時間経過(Time) での変化など、時間軸を加えたダイナミックな診断です(CRPT診断)。
患者さんの状態によっては病理診断ができずに、臨床データーと画像診断のみでworking diagnosis(作業診断や暫定診断)をせざるを得ないこともあります。その場合は、時間経過での治療反応性や、画像の変化により診断を修正する可能があります。更に、どの診療科の画像診断においても、初診時の存在診断、病名診断、病期診断に加えて治療判定、再発診断も画像により行われます。画像診断においては時間的な要素を加味することは重要と思います。
また、近年この学会においてもAIによる画像診断のシンポジウムが取り上げられています。医療以外のどの領域でも注目されていますが、特に画像診断においては重要なテーマであり、本会でもぜひ皆様と一緒にディスカションできればと思います。
この学会は、あらゆる領域の臨床医、画像医、病理医がface-to-faceに討議する非常に貴重なものです。多くの方にご参加していただき交流できることを願っています。
第39回日本画像医学会
大会長 小倉 高志
神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科
(副院長/部長)