第42回日本画像医学会を2023年2月17日と18日の2日間にわたって開催することになりました。本学会は、専門領域臨床医、放射線科医、病理医の連携のもとに画像への理解を深める学会です。私は循環器内科医ですが、内科医としての立場からは各領域の画像に関するトピックの情報を一度に習得するにはとても有用な学会と思っています。画像を理解するためにはその異常所見が何を見ているのかを正確に理解することが重要ですが、そのためには病理の所見が欠かせません。疾患によっては生体での病理所見を得ることが難しい場合もありますが、常に病理との対比を考えることが重要である点はかわりません。特に難治性疾患では大変意義があることです。臨床所見、画像そして病理の理解により、病態を把握し、適正な治療の選択が行えるのではないかと思います。。
画像というと、形態学にとらわれがちですが、エコーやCTおよびMRIでは臓器の機能をみる方法が活用されています。核医学画像に至っては機能画像・生理的画像と言われています。臓器や病変はその形態のみではなく、機能を考慮することが重要となっています。また、疾患によって病変は緩徐に変化していく場合と急激に変化していく場合があります。実臨牀では病変の進行(病期)とともにその形態や機能の変化を考慮し、画像(形態と機能)と病理を対比する必要があります。そこで、今回の基調テーマを「臓器の形態・機能・病理の統合的理解から疾病克服に挑む」といたしました。形態、機能、そして病理の統合的理解とは、各疾病による病変の時間的変化を理解することが含まれます。この点で疾患の総論的理解に加えてその病期を考慮する必要がある症例検討を行う意義があると考えます。
今回のプログラムの大枠は臓器別のシンポジウムを主体として、従来からの総合診療セミナー(生涯教育・研修医セミナー)、レントゲンカンファレンス、画像診断ドクターR、ランチョンセミナー、スポンサードセッション、一般演題を予定しております。
第42回日本画像医学会はJR東京駅の日本橋口から直結したステーションコンファレンス東京での開催を予定しております。新型コロナ感染症による社会情勢に左右される可能性はありますが、今のところ皆様と対面での議論ができますように準備を進めております。皆様のご参加をお待ちしております。
第42回日本画像医学会
大会長 諸井 雅男
東邦大学内科学講座循環器内科学分野(大橋)