レントゲンカンファレンス症例・解答と解説
第23回 日本画像医学会 (2004年2月)
No.27症例5:41歳男性
診断:閉塞性角化症
keratosis obturans
- 【画像所見】
- 画像所見としては両側外耳道骨部に軟部濃度病変を認める.外耳道骨部骨壁に明らかな浸食性変化は見られない.内側は鼓膜に達するが,鼓室内進展は見られない.軟部濃度病変内に明らかな石灰化は見られない.画像所見としての特異性は余り高くはないが,両側性であること,疼痛をともなうこと,またCT上,慢性アレルギ―性鼻副鼻腔炎の所見を伴うなどの臨床像と合わせると”閉塞性角化症”が考慮される.
図4
- 【解説】
- 閉塞性角化症は外耳道骨部における剥離性角化上皮の堆積により生じる比較的まれな病態である.典型的には本例と同様,比較的急性・高度の耳痛,伝音性難聴を訴える.耳漏はまれである.しばしば,両側性である.本例は41歳であるが,通常は40歳以下の症例が多い.副鼻腔炎,気管支拡張などの既往を伴う場合あり.
剥離角化上皮の堆積という点において閉塞性角化症と外耳道真珠腫は同じ病態と考えられる場合も多い.臨床的な外耳道真珠腫は(外耳道内において剥離上皮を外側に排出するサイクルの機能低下の生じてくる)比較的高齢者に多く,慢性的な耳の鈍痛と耳漏を訴える点において異なる.CT上は閉塞性角化症では骨浸食性変化は見られず,ときに外耳道骨部の平滑な拡大を来すのに対して,外耳道真珠腫では高度に骨浸食性変化を示す(図4).また,閉塞性角化症では両側性に病変を認める場合がある.
- 【参考文献】
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- Piepergerdes MC, Kramer BM, Behnke EE. Keratosis obturans and external auditory canal cholesteatoma. Laryngoscope 1980;90: 383-391.
- Shire JR, Donegan JO. Cholesteatoma of the external auditory canal and keratosis obturans. Am J Otol 1986;7: 361-364.
- Chakeres DW, Kapila A, LaMasters D. Soft-tissue abnormalities of the external auditory canal: subject review of CT findings. 1985;156: 105-109.