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レントゲンカンファレンス症例・解答と解説



第23回 日本画像医学会 (2004年2月)

No.32症例10:30歳、男性

診断:虫垂膀胱瘻

【解説】
IVU:膀胱右側上部に引きつれがみられる.小骨盤腔傍正中右側には石灰化像がみられる.
注腸:回盲部左側に上記の石灰化像がみられ虫垂は描出されていない.
CT矢状断像で上行結腸から肥厚した膀胱頂部に連続する帯状構造物がみられ(矢印),内部に石灰化が認められる.
  • 図3 造影CT矢状断像
【経過】
膀胱鏡所見では膀胱後壁に膀胱腸管瘻を示唆する所見が見られた.
手術で虫垂根部に虫垂結石があり,虫垂先端と膀胱に慢性炎症性の癒着が見られ,虫垂膀胱瘻が確認された.
虫垂切除,癒着剥離,膀胱部分切除が施行された.
【解説】
腸管膀胱瘻(enterovesical fisula)は,腸管と膀胱が内瘻を形成した状態で,1859年Jonesにより初めて報告された.発生原因により,先天性,腫瘍性,炎症性,外傷性に分類され,統計では, 憩室炎,大腸癌,クロ-ン病によるものがほとんどである.虫垂膀胱瘻(Appendicovesical fistula)は,腸管膀胱瘻の5%以下に起こり,75%は男性である.
原因は,虫垂炎が大部分を占め(96%),まれに腫瘍性ものがある.
腸管膀胱瘻に特徴的な糞尿,気尿は比較的少ない.虫垂が細長く内腔が狭いことと,糞石などにより内腔が閉鎖されることが多い為と考えられている.
診断に到るまで難渋する事が多い.治療は虫垂切除,瘻孔を含めた腸管と膀胱の部分切除が一般的である.
【参考文献】
  1. Jones S.:Communication between the sigmoid flexure and the bladder,the result of ulceration of a false diverticulumn. Trans Pathol Soc 1859; 10:131-132
  2. Pollard SG.:Colonovesical fistula.
    Ann R Coll Surg Engl.1987; 69(4): 163-165
  3. Fraley EE.:Computed tomography in the diagnosis of appendicovesical fistula.
    J Urol.1993; 149(4):830-832
  4. Haas,G.P.:Appendicovesical fistula.
    Urology1984; 24: 604-609
  5. Kawamura YJ.:Appendico-ileo-vesical fistula.
    J Gastroenterol 1998; 33(6):868-871
  6. Vidal Sans J. Review of 31 vesicointestinal fistulas :diagnosis and management
    Eur Urol.1986; 12(1): 21-27