レントゲンカンファレンス症例・解答と解説
第30回 日本画像医学会 (2011年2月)
No.74症例4:40歳代女性
診断:リウマチ肺(RA lung)/リウマチ結節
- 【解説】
- 関節リウマチが肺や胸膜に病変を生じる場合、胸膜病変が40%・間質性肺炎が10-40%・その他に気道病変やリウマチ結節が報告されている。臨床的には通常無症状であるが、気胸や膿胸を合併することが報告されている。 リウマチ結節は胸膜直下や小葉間隔壁に伴う半球状の結節として観察され、上中肺野に有意に発症する。単独で生じる場合も多発病巣として観察される場合もあり、サイズは0.5~10.0cmと多彩で、38.4~50.0%に空洞を伴うが石灰化は通常伴わない。
一般的にリウマチ結節は関節リウマチに特異的に合併し、関節リウマチの治療薬(DMARDS: Methotraxate, Azathioprine, Leflunomide)が誘因と考えられている。リウマチ因子陽性例に好発し,機械的刺激による微小血管の損傷がおこり,リウマチ因子-免疫複合体が局所に集積され,肉芽腫が形成される可能性が示唆されている。また,過剰なリウマチ因子は,主に単球と組織マクロファージによって網内系で排除されるが,DMARDs投与により,単球の数や機能の低下を来たし,リウマチ因子の排除が抑制・遅延されることがリウマチ結節発生増加・増大の一因とする報告がある。
肺リウマチ結節は機械的刺激が加わりにくい部位に生じ,喫煙者やじん肺症に多く合併することから,粉塵や喫煙などの化学的刺激でも機械的刺激と同様のことが生じると推測されているが,未だ不明な点も多い。低酸素や長期の喫煙が,過剰なリウマチ因子の排除を担う単球やマクロファージの数・機能に影響を与えるとしている報告もある。
鑑別は肺の腔洞性病変が挙げられるが、悪性腫瘍・感染症・肺血栓塞栓症・血管炎・アミロイドーシス・肉芽腫性疾患(サルコイドーシス・Wegener肉芽腫)が鑑別と考えられる。単発もしくは多発性の結節が関節リウマチ患者に認められる場合はリウマチ結節の可能性があり、時に空洞化/急速な増大/気管支胸腔瘻形成により気胸を生じることがある。
- 【参考文献】
- Kobayashi T et al. Multiple rheumatoid nodules with rapid thin-walled cavity formation producing pneumothorax. J Thorac Imaging 2005;20:47-49.