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レントゲンカンファレンス症例・解答と解説



第34回 日本画像医学会 (2015年2月)

No.98症例4:50歳代 男性

診断:副腎血管腫

【画像所見】
  • 境界明瞭、石灰化なし
  • 辺縁に結節状の早期濃染を認め遷延性に造影効果の増強を認める
  • PET-CT、副腎皮質シンチでは腫瘍に強い集積を認めない
【鑑別】
  • 血管腫
  • 出血・変性を伴った皮質腺腫、褐色細胞腫
  • 器質化血腫
【経過】
入院後、内分泌内科にて検査施行される。
ホルモン検査より、非機能性副腎腫瘍と診断。
浸潤傾向に乏しく、PET-CTでの集積は低く(辺縁部でSUV max 2.2程度)、副腎以外に病変を疑う所見はない。
経過中、増大傾向を認めたため、悪性病変を完全には否定しがたく手術となった。
【手術】
腹腔鏡下右副腎摘除術
副腎血管腫
【副腎血管腫とは】
  • まれ (剖検例で 1/10000 との報告あり)
  • 偶然発見されることが多い
  • サイズ 2~15cm(10cm以上が多い)
  • 無症状が多い(サイズによる)
  • 50-70才 女性に多いとの報告もある
  • 内分泌学的には、基本は非活性
  • きわめてまれに活性を示し、褐色細胞腫など他の腫瘍との鑑別困難な
  • とがある
【病理】
Cavernous hemangioma of right adrenal gland
副腎髄質組織に中等大、類円形の血管増生よりなる海綿状血管腫の像を認める。一部では大型に拡張した静脈内に新鮮及び器質化血栓の形成を伴う。副腎組織に異常はない。悪性所見はない。
【画像所見】
  • 境界明瞭
  • 肝血管腫同様、dynamic 造影検査にて辺縁のスポット状の造影効果
  • 辺縁から中央へ造影効果は遷延する(しないこともあり)
  • 静脈石の存在は血管腫を強く示唆する
  • 造影される vascular space はMRI T2WIで著明な高信号を示す
  • 血腫が血管腫に似ることもある
  • 中央に出血がある場合、時期によりT2WIで低~高信号
  • 変性がある場合、T2WIで非常に高信号を示し、vascular space と区別がつかない場合がある
  • 病変内部に出血、壊死、線維化を伴う場合、肝の海綿状血管腫のような腫瘍全体の濃染はみられないことが多い
  • 腫瘍の辺縁にスポット状の造影効果が認められることが血管腫を疑う手がかりとなりうる
【参考文献】
  1. 藤本晃司他  副腎のすべて 画像診断 Vol26 No10 2006
  2. 平松京一他  腹部のCT  第2版 メディカルサイエンス・インターナショナル
  3. 山田隆之 泌尿器・生殖器腫瘍ーまるわかり事典 臨床画像Vol26 2010 11月増刊号 Medical View
  4. Lattin GE Jr et al. Radiographics. 2014 May-Jun;